新着情報 NEWS

投稿日:

【特集:ねこねこありた】ネコと手仕事が交差する、有田の旅。

 

博多駅を佐賀へ向けて出発。長崎本線から佐世保本線に乗り換え、ゆったりした田園風景を通り過ぎると、電車は生い茂る森の合間に入っていきます。しばらくしてゴツゴツした山の岩肌が遠目に見えたら、そこは有田町。400年前に日本で初めて磁器の生産が始まった焼き物の町です。

 

そんな有田町で、今回注目したいのが”ネコ”。おててがプニプニして、甘えん坊だけど強がり。たまにカーペットをいたずらしてイライラくるけど、人懐っこい鳴き声であなたをまたメロメロにさせる、あの”ネコ”です。この特集では、猫に関連するものづくり体験やおすすめスポットを紹介します。

 


案内してくれるのは、ネコを代表して、ミツネコさん。ミツネコさんは、有田生まれの白猫で、江戸時代から生きる有田ネコ界隈の生き字引です(詳しいプロフィールはこちらから)。ミツネコさん、今日は色々教えて下さいね。

 

「みゃーみゃ。(訳:おまかせあれ。)」※以降は、スペースの都合上ネコ語を省略して、日本語対訳のみ記載します。ご了承ください。

 

はい、頼もしいお言葉ありがとうございます。ニャンともいやされる猫たちへ会いに、さっそく旅をはじめましょう。

 

①ネコの有田焼にペタペタ絵付け体験

 

江戸から明治、大正、昭和と時代を横断する建物が立ち並ぶ有田内山地区。レトロな気持ちにひたりながら、てくてく歩いてゆくと最初のお店「アトリエ夢」に到着です。入り口には、「さげもん」といわれる飾りがぶら下がり、お客さんを丁寧に迎えてくれます。

 

店主の浦川さんは、長年有田で絵付けをしてきた大ベテラン。息子さんと二人でギャラリー兼作業場を切り盛りしています。お店の中には、ネコモチーフのお皿やコップ、箸置き、人形などなどがたくさん。どれも、浦川さんの性格を表すようなおっとりして、どこか茶目っ気のある子ばかりです。

 

「ここにはマブダチの黒猫クロがいるニャ。」

 

そうですね。このクロちゃんは、創作のインスピレーションの源であるとともに、お客さんをもてなすお店の大切な存在でもあるそう。

 

 

「クロちゃんは拾いネコやったけど、今では立派な看板ネコばしてもろて、助かっとるもんねー。ここにネコ川柳があるでしょ。」

 

そう言う浦川さんの指先には軒先の風鈴にぶら下がった短冊。そこにはごろんと寝そべったネコのイラストと、のびやかな筆文字で「道端に ころがるだけで 人気者」との一句が書かれています。一時期は壁一面に100句ちかくのネコ川柳を並べていたそうです。

 

「クロちゃんば見ながら一句ひらめくことがあるとよ。実際にネコを飼っているお客さんからも川柳を募ってね。真面目だけじゃなく、なんか笑えることばせんといかんと思って。」

 

ここのおすすめは絵付け体験。もちろんお皿やコップなどにも絵を描くことができますが、ここでしかできないのがネコの置き物の絵付け。常識に捉われない浦川さんらしい絵付けメニューです。

 

 

ちょこんと座ったネコの人形はどれも、浦川さんの息子さんがひとつひとつ手で練り上げたもので、表情や体つきはまったく違います。まず自分のお気に入りをじっくり吟味するのがミソ。

 

模様やヒゲを鉛筆で下書きしたのち、昔ながらの呉須と呼ばれる絵の具を筆先につけて色付けしていきます。ショッキングピンクの個性的なアメリカンショートヘアを描いたり、エジプトのクレオパトラ王妃の気分でスフィンクスみたいなネコを作ったり、はたまたじぶんちの愛しい三毛猫を再現したり、楽しみ方は無限大です。

 

 

 

絵付けたネコちゃんは、浦川さんがガラス質のキラキラした釉薬(ゆうやく)をかけ、窯の中へ入れて仕上げてくれます。送料代を追加すれば、完成品をあなたの家まで郵送してくれますよ。

 

「まるで立体の塗り絵みたく楽しめるから、絵心に自信がない人でも気軽に挑戦してみてニャ♪」

 

アトリエ夢
住所:〒844-0003 佐賀県西松浦郡有田町上幸平1-6-5
TEL:090-7475-5764
営業時間:10:00〜17:00
定休日:不定
 
→体験の詳細・ご予約はこちらから

 

②木工の気品あふれるネコたち

 

お次のネコスポット「木工・雑貨工房FLOWERS」は、アトリエ夢から徒歩15秒のところにあります。もともと印刷会社が入っていた、可愛げある建物を改装して2018年にオープンしたばかりのお店です。

 

 

昭和のモダンな喫茶店を思わせるような入口をくぐった先には、ネコ、ネコ、ネコ。あっという間に、大小様々なネコの置き物に囲まれてしまいます。

 

 

「いらっしゃいませ。」

 

「……!(驚愕のあまり尻尾を逆だてるミツネコ)」

 

な、なんということでしょう。さ、さっきからネコばかり追い求めるあまり、巨大なネコの幻覚まで見えてきました…!これじゃ旅行じゃなくて、また別の”トリップ”ですよ…。

 

「…。」

 

「……。」

 

「………。」

 

「…驚かせてすみません。実はわたし人間です。お店をやっている戸川といいます。」

 

(ほっ、そうなのね。どうやら、まだこのまま正気でネコ特集を続けていけそうです。)
こちらの戸川さんは鹿児島県の屋久島から有田へ引っ越してお店をオープンされたそうです。

 

店内を埋め尽くすネコのオブジェや人形は、樹齢1,000年以上の屋久杉をつかってひとつずつ手作りしています。ネコちゃんの体中にほどこされた細かなノミ跡は、光に当たって絶妙な陰影を浮かびだし、見る人をどこか神聖な気分に浸らせてくれます。

 

「木のオブジェ以外にも、陶磁器の雑貨や、和紙をつかった張り子のネコもありますよ。今かぶっているネコは張り子でできていて、お客さんにも自由にかぶってもらってます。」

 

(かぶりたい…。)

 

ただかわいらしいだけじゃない、高級感もそなえたFLOWERSのネコたち。大事な人への贈り物にも喜ばれそうです。

 

また屋久杉をつかった木製のペアストラップづくりなど、木工体験もメニューも楽しめます。

 

 

木工・雑貨工房FLOWERS
住所:〒844-0003 佐賀県西松浦郡有田町上幸平1-6-1
TEL:090-3321-4730
営業時間:土日のみ10:00〜17:00
定休日:月〜金曜日
 
→体験の詳細はこちらから

 

「焼き物に木工ときて、このほか折り紙でつくる体験もあるので要チェックニャ。ネコを作りたいときは、事前予約が必要ニャよ。」

 

③透きとおる磁器の肌をもった招き猫

 

さて、ネコの置物としてスター的な位置を占めるのが、招き猫。内山通りにお店を構える賞美堂さんには、有田焼の伝統を受け継ぎつつ、現代風にアレンジした招き猫のシリーズ「miw」があります。

 

上品な顔立ちの親子ネコ。子ネコは右手を挙げて金運を引き寄せ、親ネコは左手で人を招いています。ネコには「なでしこ」、「菊絵」「椿絵」の3つの種類がいて、どれも有田の歴史ある紋様をベースにしています。

 

 

こちらの賞美堂さんのお店は築188年の古い商家で、有田町の「伝統的建造物群」のひとつに数えられています。建物の2Fにはアウトレットコーナーがあります。

 

 

 

「本店2階のアウトレットも珍しいうつわがいっぱいニャ。ゆるい表情のワンちゃんと七福神にはメロメロだニャ。」

 

 

 

賞美堂本店 中の原本店
住所:〒844-0009 佐賀県西松浦郡有田町中の原1-1-13
TEL:0955-42-2261
営業時間:10:00~17:00
定休日:元旦・水曜日

 

④隠れスポット、有田のネコストリートをあるく

 

体験や焼き物だけじゃなく、有田にはまだまだ猫スポットが盛りだくさん。最後に紹介するのが、こちらの壁!

 

 

 

「…この”ネコの壁”、実は知る人ぞ知る有田の隠れ名所なのニャ。」

 

先ほどのお店からは少し離れた広瀬山地区。地区の名前の通り、山のふもとにその壁はあります。これらの山は有田から武雄を横断して連なる黒髪山・牧ノ山と言い、むかしは山中に籠もって修行をするお坊さんでいっぱいでした。

 

 

黒髪山に浸み込んだ清らかな山水は、有田焼を作り上げるために欠かせないひとつの要素になっていて、その清流がながれる広瀬山地区には古くから続く窯元が点在しています。

 

このネコちゃん達は、久光製陶所という窯元の絵付師・岩下さんが描かれた素敵な壁画です。大きな絵なので下書きで構図を決めてから挑んだ岩下さん。ペンキが混ざらないよう、ひとつの色を塗って乾くのを待つのを繰り返し、完成までに2ヶ月ほどかかった力作です。

 

「迫力あるネコちゃんと古風な瓦がいい味わい出してるニャ。めっちゃニャンスタ映えしそうだニャ。」

 

 

ほんと、ここでしかできない体験。インスタで友達を驚かせますね。

 

また、久光製陶所は昭和初期に創業し、その大きな工場(こうば)は木造でとても趣があります。きしむ床を踏みしめながら、電気コードや窯のガス管、電球ランプなどが巻き付いた木製の柱などを見ていると、工業と自然との調和について考えさせられる気がします。

 

 

 

 

岩下さんによると、壁の絵はまだまだ増える予定とのこと。制作時に気候の影響を受けるので、頃合いを見てかららしいですが、いまから楽しみです。

 

久光製陶所
住所:〒849-4151 佐賀県西松浦郡有田町広瀬山甲1929
TEL: 0955-46-2303
※壁画の周りは住宅街ですので、駐車には十分お気をつけください。

 
 

いかがでしたか。ネコを巡る有田の旅。あなたもネコを探しにいらしてください。

 
「長いこと生きてきたボクも知らないことがあるなんて…まだまだ町なかの散歩しがいがあるニャ。」

 

新着情報一覧へ