はんなり絵付けのおもしろみ。
ゆっくり心落ち着かせ、浸る絵付けの世界。呉須のしずくが無地の素焼きにしたたる。
まっさらなうつわにスルリと最初の一筆を入れる快感。有田焼の製造工程のなかでも、絵付けは花形しごとのひとつです。
そんな絵付け職人として、伝統ある有田の窯元にて腕をふるった浦川さん(左)。今では内山地区にてギャラリーとショップを兼ねたアトリエ夢を切りもりしています。
天気のよい日には、自ら軒先に出て青空の下で絵付けをするといいます。通りがかりの観光客も思わず食い入る筆運びで、日に照らされた素焼きのお皿にするすると絵を描いていきます。
ニコニコ愛嬌をふりまく姿に引き寄せられてお店に入ってくるお客さんも多いよう。
絵付けを体験したいと申し込むと嬉しそうに準備をはじめる浦川さん。
まず、レンゲソウやサクラなど生き生きした線で描かれた草花の下書きから、絵付けをしたい柄を選びます。
選んだ下書きのシートを素焼きのお皿にグッグと押し付けて、絵を転写させます。うつわに絵が写ったら、お次は鉛筆で丁寧にその絵をなぞっていきます。
かなり細かい手先の動きが要求され、思わず指がプルプル。あっ…少しはみ出した。
仕上げは筆に呉須と呼ばれる絵の具をつけて、下書きをなぞります。
さらり、さらり…などとは慣れないうちは上手くいかないもので。それもそのはず、中学の時からしばらくにぎっていない「筆」とは、何ともかんともお久しぶりの気がしていますから。これからもっと仲良くやんないとね。
慣れれば数十分で終える体験も、いったりきたりを繰り返して結局は1時間くらいかかっちゃった。
でも浦川さんがやさしく教えてくれて無事に完成。このうつわ、家でヘビーユーズしちゃうかも。